令和3年度補正予算案が成立

12月20日、補正予算としては過去最大となる”令和3年度補正予算案”が成立しました。 令和3年度補正予算案は補助金申請に大きく関わるため、現状わかっている情報について、令和2年度補正予算と比較しながらまとめさせていただきます。

目次

事業復活支援金

事業復活支援金は2022年3月までの見通しを立てられるよう、コロナ禍で大きな影響を受ける事業者に、地域・業種問わず、5ヶ月分の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付予定の制度で、令和3年度補正予算案では2兆8,032億円が計上されております。対象は、中堅企業・中小企業・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主になります。

対象者 新型コロナウイルス感染症の影響で、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が50%以下に落ち込んだ事業者
開始時期 補正予算が成立したため、所要の準備を経て申請受付が開始される予定
給付額 5ヶ月分(11~3 月)の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付
支援金の上限額について、法人の場合には、売上高に応じて三段階に分かれております。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、中小企業等事業再構築促進事業として6,123億円(令和2年度第3次補正予算案比▲5,362億円)が計上されております。 事業再構築補助金は、これまで同様、新型コロナウイルス感染症の影響で 2020年4月以降の売上高が10%以上減少した中小企業等に対し、新分野展開や業態転換等の事業再構築に係る設備投資等を補助する制度です。従来のものと比較し、売上高減少要件を一部緩和。また、複数事業者が連携する場合は売上高減少分を合算可能とするなど、使い勝手が向上する予定です。売上高が30%以上減少するなど、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者に対しては、補助率を引き上げた特別枠(回復・再生応援枠)が設けられ、その他、新たにグリーン成長枠を設け、売上高減少要件を撤廃するとともに、補助上限を最大 1.5 億円に引き上げられます。 2021年の事業再構築補助金は、中小企業には通常枠(補助率:2/3)と卒業枠(補助率:2/3)、中堅企業には通常枠(補助率:1/2)とグローバルV字回復枠(補助率:1/2)が設けられておりました。中小企業の卒業枠や中堅企業のグローバルV字回復枠は申請できる企業が限られており、ご提案する機会もありませんでしたが、2022年の事業再構築補助金は補助率も上がり、各申請類型に該当する企業も多く、使い勝手が向上した印象です。
対象要件 ① 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ前と比較して10%以上減少していること(グリーン成長枠を除く) ② 事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関が策定すること(補助額3,000万円超は金融機関も必須) 等
開始時期 令和4年以降
対象経費 建物費 、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等 関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費(一部の経費については 上限等の制限あり)

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、これまで同様、革新的製品・サービスの開発、又は生産プロセス等の改善に必要な設備投資等を補助する制度です。2021年のものづくり補助金は、低感染リスク型ビジネス枠という特別枠を設けておりましたが、2022年のものづくり補助金も「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」という特別枠が設定される予定で、補助率も2/3と高めに設定されております。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営計画を策定して取り組む販路開拓費等を補助する制度です。2021年の小規模事業者持続化補助金は低感染リスク型ビジネス枠という特別枠を設けておりましたが、2022年の小規模事業者持続化補助金も「成長・分配強化枠(賃上げや事業規模の拡大)」「新陳代謝枠(創業や後継ぎ候補者の新たな取組)」「インボイス枠(インボイス発行事業者への転換)」という特別枠が設定される予定です。これまでの補助率は通常枠が1/2でしたが、補助率が2/3になり、一部の類型では、補助率が3/4になる予定です。

IT導入補助金

IT導入補助金は、業務効率化やDXのために導入するITツール等の費用を補助する制度です。 2023年10月1日にスタートするインボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応を見据え、会計ソフト等のITツール導入をこれまで以上に促進することを目的として、補助率の引上げ、クラウド利用料2年分の補助、PC等のハードウェアの購入補助が実施されます。現段階では「会計ソフト」「受発注システム」「決済ソフト」が対象となっており、ECプラットフォーム「Shopify(ショピファイ」やCRMツール「HubSpot(ハブスポット)」が補助対象になるかは未定です。また、商業集積地・サプライチェーン等で密に連携した複数の事業者による ITツールの導入を支援するため、複数社連携型IT導入枠が設けられ、データ共有・活用などの取組も補助対象となります。
補助対象 補助額
ITツール(会計ソフト、受発注システム、決済ソフト等) ~50万円(補助率:3/4)、50~350万円(補助率:2/3)
ハードウェア(PC、タブレット等) ~10万円(補助率:1/2)
レジ ~20万円(補助率:1/2)

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継・引継ぎに係る取組みを、年間を通じて機動的かつ柔軟に支援する制度です。事業承継・引継ぎ後の設備投資や販路開拓等の経営革新に係る費用、事業引継ぎ時の専門家活用費用、事業承継・引継ぎに関する廃業費用などが補助対象となります。なお、専門家活用費用はセカンドオピニオンを含むもので、仲介・FA 手数料は「M&A支援機関登録制度」に登録された者の支援に限ります。

最後に

補正予算としては過去最大のものとなりましたが… 補助金単独でみると、中小企業等事業再構築促進事業として6,123億円(令和2年度第3次補正予算案比▲5,362億円)、生産性革命推進事業は2,000.6億円(令和2年度第3次補正予算案比▲299.4億円)が計上されており、また、令和2年度第3次補正予算案では56.6 億円の予算が割り当てられていた事業承継・引継ぎ補助金が生産性革命推進事業に含まれていることから、補助金の予算は縮小されております。 で・す・が… 1申請あたりの「補助率」「補助額の上限」が増えている補助金もあり、採択までの競争は激しくなりそうですが、申請するメリットは2021年よりもあると思います。 フィッシュリップルでは「ブランドの成長と事業の拡大に貢献する企業の経営参謀型コンサルティング」をミッションに、2017年5月の創業時より事業者様のマーケティング支援(販路開拓支援)、ECサイトやWebサイトの制作及び運営支援、CRMツールの導入及び運用支援を行っております。 2021年12月17日に経営革新等支援機関として認定され、「経営革新サポート」の提供を開始することで、創業支援・経営相談・事業計画作成支援・補助金申請支援にも対応し、マーケティング(販路開拓)前の資金調達からサポートすることで、事業者様の事業拡大に貢献します。 お役に立てることがございましたら、お気軽にご相談ください。