皆さんこんにちは。
新規事業を立ち上げる際、皆さんはどのように資金調達を行いますか?日本政策金融公庫や銀行から融資してもらうことが一般的でしたが、最近では、投資家から資金調達をするケースやクラウドファンディングを利用するケースも増えております。
そんな中、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で、「補助金」が注目され、新規事業やITツールの導入、ビジネスモデルの転換で補助金をご検討されている方が多くなりました。
今回ピックアップする補助金は、弊社でも問い合わせが多くなっている「ものづくり補助金」です。
ものづくり補助金の概要については、こちらの記事をご覧ください。
新規事業を行う際によく利用されるものづくり補助金ですが、ものづくり補助金を申請するには事業計画書(その1とその2とその3を合わせて、A4サイズで計10ページ以内)が必要で、事業計画書を作成しても、ここで不採択になってしまう方が多くいらっしゃいます。
今回は、不採択される可能性が高い事業計画書の特徴と、採択された事業計画書を比較することで、事業計画書を作成される際の参考にしていただければと思います。
不採択される可能性が高い事業計画書の特徴
技術面、運用面
- 課題に対する具体的かつ技術的(システムの仕様内容)な解決方法が不明確
- 補助事業の実施体制について、担当者の経験や組織図が不明確
- 補助事業に関するノウハウを持った人材確保や推進体制の改善が必要
事業化面
- 補助事業が市場ニーズの観点から必要性は認められるが、他社優位性が明確でない
- 事業スケジュールが大雑把で、補助事業の実現性が低い
- 販売開拓と売上計画の具体的施策が不明確で、補助事業の実現性が低い
- 低感染リスク型ビジネス枠の場合、広告宣伝・販売促進費の詳しい使い道が不明確
- 価格設定や購入頻度などの根拠となる情報が不足している
- 商圏を一気に全国展開というのは、妥当ではない
- 新規事業の場合、補助金以外のPRコストに耐えられる体力がなく、事業化に懸念
採択される事業計画書するには…
・課題に対する具体的かつ技術的(システムの仕様内容)な解決方法が不明確
採択される事業計画書は、「誰に何の価値を提供するか」が明確で、価値を提供するための機械装置・システム構築の仕様が明確です。「見積書の取得=導入する機械装置・システムが明確」であることから、ものづくり補助金の事業計画書を作成する前には、見積書を取得しておくくらいの心算の方がいいと思います。 ・補助事業の実施体制について、担当者の経験や組織図が不明確
・補助事業に関するノウハウを持った人材確保や推進体制の改善が必要
新規事業の時によくある話ですが、補助事業に関するノウハウが社内にないケースもあります。この場合、事業が拡大するイメージが誰も持てませんよね。「どんな経歴・経験を持つ担当者が、補助事業の中でどんな業務を行うのか」を明確にしながら、組織図の作成と担当者の説明をしましょう。
ちなみに、担当者の説明でよくするケースですが、申請する会社がWANTEDLY(ウォンテッドリー)を利用している場合には、メンバー紹介のところをスクショして貼り付けています。今のところ、顔社員と担当者の経歴が明確な事業計画書は、100発100中です。 ・補助事業が市場ニーズの観点から必要性は認められるが、他社優位性が明確でない
採択される事業計画書は、「補助事業の優位性・革新性・差別化」の項目で同業他社のサービス内容を説明しつつ、ポジショニングマップを使いながら、視覚的に違いについて説明します。また、自社の強みやノウハウ、参入障壁などの観点から、自社の優位性を説明しております。 ・事業スケジュールが大雑把で、補助事業の実現性が低いと判断
事業スケジュールは、事業化の具体性と実現可能性に直結する項目です。「いつ誰が何をするのか」を明確にしながら進めていきましょう。作り方について、以下の表のようなものをエクセルやスプレッドシートで作成し、スクショして事業計画書に貼り付けましょう。 ・販売開拓と売上計画の具体的施策が不明確で、補助事業の実現性が低いと判断
・低感染リスク型ビジネス枠の場合、広告宣伝・販売促進費の詳しい使い道が不明確
・価格設定や購入頻度、売上高の根拠となる情報が不足している
事業化するには、機械装置の導入・システムの構築だけでなく、顧客の獲得方法、つまりマーケティングの要素が必要不可欠です。お客様の特徴を整理し、どういう媒体から集客するかを事業計画書に落とし込みましょう。ここは図で表記した方がわかりやすいと思います。
価格については、誰しも悩むところだと思います。弊社の場合は以下の3つの方法から価格設定をしております。
- コスト積み上げ式(変動費「原価+物流費+広告宣伝費など」、固定費、獲得したい利益)による価格設定
- 競合他社の価格を参考にした価格設定
- マーケティングリサーチによる価格受容性分析を元にした価格設定
・商圏を一気に全国展開というのは、妥当ではない
・新規事業の場合、補助金以外のマーケティングコストに耐えられる体力がなく、事業化に懸念
インターネットを活用した新規事業でありがちなことですが、インターネットは物理的な壁がないので、商圏を全国に広げがちです。もちろん、資金力があれば一気に全国展開も可能かもしれませんが、ほとんどの場合、一気に全国展開するのは体力的に難しいです。自社のリソース(資金、人材)と向き合い、どこにマーケティング活動を注力するのが勝ちパターンなのかを考え、事業計画書に記載しましょう。
事業計画書の作成は、非常にハードルが高い作業ですが、このブログを参考に、ぜひチャレンジしてみてください。もちろん、ものづくり補助金をご検討される場合、弊社で申請のサポートも行っておりますので、「ものづくり補助金を申請したいけど、時間的に難しい」という場合には、ぜひ弊社までお問い合わせください。