12月4日（月）に、経済産業省より令和5年度補正予算に関する発表がございましたので、最新情報について報告させていただきます。
今回の補正予算では、ものづくり補助金の特別枠に関する変更や事業再構築補助金の再編、IT導入補助金の特別枠に関する変更について発表がありました。
現在、分かる範囲で概要（最後に受付開始予想）を報告させていただきます。
ものづくり補助金 2024
中小企業等が行う、革新的な製品・サービスの開発、生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援する補助金です。
ものづくり補助金の主な変更点
令和5年度の補正予算では、中小企業の生産性向上と持続的な賃上げを目指して、以下のような支援策が実施されます。
- 個々の事業者のビジネスプロセスに応じたオーダーメイド型の省力化投資等を支援する『省力化（オーダーメイド）枠』の新設。
活用例｜熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ（SIer）と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。
- 成長が見込まれるデジタル技術を活用した転換（DX）やグリーンエネルギーへの転換（GX）を重点的に支援する。
- 持続的な賃上げを実現するため、大幅な賃上げに取り組む事業者に対して、補助上限額を100~2,000万円上乗せ。
- 一定の投資規模の事業計画に取り組む事業者に対して、口頭審査を導入する。
- 厚労省の産業雇用安定助成金との連携。
次回の申請に向けて
ものづくり補助金に申請するには、事業計画書を作成する必要があり、これまで行ってきた事業内容や補助金の対象となる事業の内容（ビジネスモデルや設備投資など）、収支計画、他社との差別化方法などを記載する必要があります。
補助金の対象となる事業の成功ストーリーを描くには時間を要するため、早めにご準備またはご相談をお願いいたします。
事業再構築補助金 2024
ポストコロナに対応するための新市場進出、事業・業種転換などを通じた事業規模の拡大、企業の思い切った事業再構築を支援する補助金です。
事業再構築補助金の再編
新型コロナ対策としての役割は終わりつつあるため、見直しが検討されております。
現時点では、「中小企業省力化投資補助事業」に変更される見通しです。中小企業省力化投資補助事業は、ＩｏＴやロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する補助金です。
補助金額と補助率（1/2~3/4）が高く、また、広告費やホームページ制作も補助対象経費に含めることができる自由度が人気だった事業再構築補助金ですが、再編されたことで補助金額や補助率が縮小。
対象経費はまだ分かりませんが、省力化投資に限定した経費と予想されることから、これまでとは全く異なる補助金になりそうです。
IT導入補助金 2024
IT導入補助金 2023 同様、業務効率化やＤＸの推進、サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応等に向けたITツールの導入を支援します。
IT導入補助金 2023 との主な変更点
- 通常枠については、大きな変更点なし。
- ECサイトの制作などで利用されたデジタル化基盤導入類型は、「インボイス枠（インボイス対応類型、電子取引類型）」に変更。
- インボイス枠では、小規模事業者に対する補助率を一部4/5へ拡大。
- デジタル化基盤導入類型の後継となるインボイス枠において、インボイス制度に対応していないソフトウェアとECサイト制作は対象とならない。
IT導入補助金2023 デジタル化基盤導入類型では、会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに補助対象を特化しており、ECサイト制作の補助率が高かったため、多くの事業者様にご利用いただきました。
しかしながら、IT導入補助金2024 インボイス枠の場合、現在把握できる範囲では、ECサイト制作は対象となりません。
ECサイトの制作をご検討されている場合
IT導入補助金2023を活用したECサイトの制作について、IT導入補助金2023の申請は、まだ間に合います。
IT導入補助金2023のスケジュールは以下の通りです。
- 16次締切分 締切日：2024年1月15日 （月） 17:00
- 17次締切分 締切日：2024年1月29日 （月） 17:00